まいど!昆布水生みの親・昆布おじさん喜多條です。昆布水・「umami」を
責任を持って伝えます。
5年前 ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録されて本当に良かったですね。
素晴らしい事だと思いますが僕は少し不安が有ります。
それは家庭での和食が、登録された意味合いと違う方向に行
きつつ有るのでは、ないだろうかと思うのです。
僕は昆布屋ですから、「昆布」の事しかわかりませんが、「和食
=お出し」はその通りだと思うのですが、「出し」の取り方の報
道に少し疑問を感じます。
ほとんどのTV料理番組・料理本での、昆布だしの取り方です。
僕たち昆布屋の日本全体の組織「(一社)日本昆布協会」でも
同じように表現しています。
固くしぼった布巾で、表面を軽く拭く。
昆布を前の日より水につけておく。
火にかけて沸騰する前に昆布を取り出す。
そして昆布の表面の白い粉(写真の白い部分)は、マンニットと
言って昆布「UMAMI」成分の一つですから、水洗いしない様に。
特に京都の料理人さんの間では、「昆布の出しは60度の温度で1時間煮るのが良
い」が流行しているようですね。
出しの取り方については個人の自由ですが、今日は「固くしぼ
った布巾で、表面を軽く拭く。」に付いて書きます。
ほとんど全ての方が、このように言っておられると思うのです
が、実際にプロの料理人さんで毎回昆布の表面を拭いてから、出
を引いておられる方がどれほどいらっしゃるでしょうか?
僕は昆布の「UMAMI」を発見した池田菊苗博士が、グルタミン酸
のみを取り出す(単離と言うそうです)時に他の成分が、
邪魔になった為に奥様が「固くしぼった布巾で、昆布の表面を拭き取った」
と言うことが基になっていると思っています。
その時の記述が検証されずに、今でも伝えられているのではないでしょうか?
もちろん 昆布は天産物で天日乾燥する場合が有りますので、小
砂などが付いている事が有り、それを拭き取る意味も有ると思い
ますが、最近の昆布にはほとんどそのような事が無くなってきました。
それ以外にも昆布の表面を拭くことで、一般生菌が除去されるとの報告も聞いて
いますが、僕自身はデーターは持っていません。
決してゼロでは有りませんので、僕たち昆布業界の人間がもっと
努力しなければいけない事は、十分に自覚していますので消費者
の方により安心して使っていただける様にがんばります。
家庭料理ではもっと手軽に、和食を作って下さいね。
僕の好きな言葉です。
「手が抜ければ、手抜きせずに、手がかけられる。」
家庭料理で、手抜きをしてはだめですが手を抜いても大丈夫な所は、簡
単にしてしっかりと手をかけないといけない所には、手をかけましょう!!
昆布革命は、昆布の「UMAMI」を使うのには、一番手のかからな
い本物の味だと、僕は信じています。