まいど!昆布水生みの親・昆布おじさん喜多條です。
昆布について僕個人が責任を持って書いています!
さすがに老舗の昆布屋さんらしく超一流の昆布ばかりが倉庫にありました。全て天然昆布で利尻昆布も本物の香深産で日髙昆布は井寒台産、もちろん昆布の王様真昆布の尾札部産もあり、折り昆布では小安15キロ折り(本場4貫折りといいました。)などなど。
天然白口浜・尾札部元揃い1等
天然利尻昆布・稚内産長切り一等(僕は利尻昆布の王様だと思っています。)
天然羅臼昆布・黒走り2等(幻になりつつある昆布です。)
天然日高昆布(天然しかありません。)上浜・近笛産1等
そして僕が一番びっくりしたのは、現在では全く生産されない黒口浜・真昆布元揃い昆布が混じって残っていたことです。今 流通している昆布は全て段ボール紙で外装がしてあり、銘柄や生産者・生産年度などの情報が誰でもわかるようになっています。
僕が昆布屋になった約50年前は全ての昆布はむき出しで、北海道より国鉄の貨車に積み込まれて大阪駅に運び込まれていました。僕たち昆布屋は裸の昆布を肩に担いで倉庫に運び込み、実際の肌と身体全部で昆布を感じ取っていました。ある意味ではとても贅沢な時代でしたね!
50年前にお祝いにいただいた真昆布元揃い昆布の原寸大蝋細工(多分日本に有っても数体)
「平成14年生産・天然黒口浜・尻岸内元揃い2等」が僕の手元に戻ってきました。間違いなく僕が老舗昆布屋さんに買っていただいた昆布が大切に保管されて15年ぶりに買っていただいたときよりも成長して帰ってきました。
ご覧の通りの素晴らしい姿です!!嫁に出した子供が嫁ぎ先で大切にしていただき錦を飾って実家に里帰りしてくれました。
立派になって帰ってきた我が昆布で日本が世界に誇る最高の「和食」=一番出しを取ってみました。普段僕が皆様に提案している昆布革命の使い方・分量とは全く違いますよ!
江戸時代から明治時代にかけて研究された「一番出し」の取り方を再現しました。二日前より1リットルの水に20グラムの昆布を表面を拭かずに浸けておきます。ここだけ昔と違います。理由は昔と違って昆布の表面に夾雑物がほとんどついていないからです。拭くことによって逆に昆布の中よりにじみでた「UMAMI」をなくしてしまう事があるために僕は昆布の表面を拭くことはしません。
白い粉は「UMAMI」成分のマンニット(塩ではありません!)
二日間の「水出し」だけでも十分昆布の「UMAMI」は出ていましたが、完全に「UMAMI」を出し切るために弱火でゆっくりと沸騰直前まで煮出しました。忙しい現代の調理法ではありませんが時間や手間を考えなければ、最高の昆布だしの取り方でしょうね!
昆布を引き出し一度沸騰させて(必ず灰汁が出ますので丁寧に灰汁をとってくださいね!)ほんの少しだけ水を差し(昆布出しの沸騰状態を抑えるため)、すぐに鰹節を20グラム加え火を消します。この時に決して混ぜないようにしてください。混ぜると出しが濁るだけでなく鰹節の生臭さも気になります。
こうして出来た一番出しを味見してご自分の感性で塩・醤油をすこしだけ加えてください。僕の好みはわずかな塩だけの一番出しです。ゴールデンウイークに時間をたっぷりかけて一番出しを楽しんでみてはいかがですか?もちろん昆布革命でも同じようにできますが、分量だけは普段よりも多い目にお使いください。
僕の自慢の一番出し!!